オーガニック=安心、と思っていた頃
「オーガニック」「天然由来」という言葉には、
どこか安心する響きがあります。
肌にやさしそうで、
体にもよさそうで、
選んでおけば間違いがない――そんな気持ちにさせてくれる言葉です。
私自身も、そうでした。 成分表をじっくり見るよりも、
「オーガニック」という表示そのものを 信頼して選んでいた時期があります。

でも、少しずつ学び、 自分の肌と向き合うようになる中で、
その安心感はイメージが先に立っていたものだったと気づくようになりました。
今回は、「オーガニック=安心」という考えを 否定するのではなく、
いったん静かに見直してみたいと思います。
「自然由来」と「肌にやさしい」は、同じではない
天然成分=刺激がない。
そう思われがちですが、 このふたつは必ずしも同じではありません。
植物由来の成分であっても、 人によっては刺激になったり、
アレルギー反応を起こすことがあります。
精油や植物エキスは、 自然の力が凝縮されている分、
作用が強いものも少なくありません。
「自然のものだから安心」ではなく、 自分の肌にどう作用するか。
その視点を持つことが、とても大切だと感じています。
日本には、化粧品の「オーガニック認証」は存在しない
意外に知られていませんが、
日本には化粧品に対する統一されたオーガニック認証基準はありません。
「オーガニック」「天然由来」という表記は、
多くの場合、メーカーの自主的な判断によるものです。
海外には、 COSMOSやECOCERTなどの認証がありますが、
日本で販売する際に、それらの取得は義務ではありません。
もちろん、 厳しい基準をクリアしている製品もあります。
ただ一方で、
ごく一部に植物由来成分を含むだけでも 「オーガニック」と表現できてしまう現実があるのも事実です。
「オーガニック=安全」と思い込むことの落とし穴
言葉の印象だけで選んでしまうと、 見落としてしまうこともあります。
たとえば、防腐設計や保存性。
「自然だから」という理由で防腐を最低限にしている製品は、
保管状況や使用期間によって、 品質が不安定になることもあります。
また、 「自然なものだから大丈夫」という思い込みは、
肌トラブルが起きたときに、 原因に気づきにくくしてしまうこともあります。
安心感が、 かえって判断を鈍らせてしまうこともあるのです。
「やさしそう」という言葉が、かえって判断を曇らせてしまうこともあります。
無添加という言葉についても、以前こんなふうに考えていました。
▶︎ 無添加化粧品だから安心、とは限らない理由
肌が求めているのは、「自然」より「安定」

毎日使うスキンケアで、 肌が本当に求めているものは何でしょうか。
それは、 刺激が少なく、状態が大きく揺れないこと。
いつ使っても、同じように応えてくれる安定感だと思います。
自然由来かどうかよりも、
・肌に負担がかかっていないか
・品質がきちんと保たれているか
・毎日続けられる設計か
そうした点のほうが、 長い目で見たとき、肌にとっては大切です。
「何でできているか」より「どう設計されているか」
成分は、 単体で良い・悪いが決まるものではありません。
配合量や組み合わせ、 保存や防腐の設計、製造管理。
それらが重なって、 ひとつの化粧品としての質が生まれます。
オーガニックであっても、 そうでなくても、 大切なのは全体の設計。
「自然かどうか」ではなく、 「どんな考えで作られているか」。
そこを見る視点が、 肌を守ってくれるのだと思います。
まとめ
オーガニックには、 自然の恵みや魅力的な側面がたくさんあります。
ただ、 「オーガニックだから安心」と 信じ切ってしまうのではなく、
一度立ち止まって考えてみる。
成分を知ること。 設計を知ること。
そして、自分の肌の反応を大切にすること。
本当の安心は、 ラベルの言葉ではなく、
理解と実感の積み重ねから生まれるのだと思います。
自分の肌と対話しながら、 納得できる選択を重ねていきたいですね。