セラミドとは何か ― 肌の何を支えている成分なのか
セラミドは、肌のうるおい成分として知られていますが、正確には「細胞間脂質」と呼ばれる脂質の一種です。
角質層では、角質細胞と角質細胞のあいだを埋めるように存在し、水分と脂質をミルフィーユ状に重ねながら、肌の構造を支えています。
よく「水分を抱え込む」と表現されますが、実際には水を単独で保持するというより、水と脂を同時に安定させる役割に近いです。
この構造があることで、体内の水分が過剰に蒸発するのを防ぎ、外部刺激が入り込みにくい状態が保たれています。
つまり、セラミドは肌表面のいちばん外側にある角質層で、バリア機能そのものを保持する役割をしているといえます。
年齢とともに、セラミドが少しずつ減っていく理由
セラミドも年齢とともに少しずつ減っていく成分です。
肌の生まれ変わり(ターンオーバー)がゆるやかになることで、角質層の構造が整いにくくなり、結果としてセラミド量も低下しやすくなります。
また、洗いすぎや紫外線、乾燥しやすい環境といった日常的な要因も、セラミドが減りやすくなる背景のひとつです。
年齢を重ねるなかで、誰にでも起こる変化です。
セラミドは、スキンケアで補える?
セラミドは、スキンケアで補える数少ない成分のひとつです。
スキンケアは角質層(お肌の一番外側にある層)までしか浸透しません。

これは肌の機能として、それより深く浸透させないように守っているからです。正常に機能しいる肌は深く浸透させないのです。
しかし、セラミドは角質層に存在する成分。
本来ある場所に、本来の役割を持つ成分をスキンケアで補えるという点で、セラミドはその条件を満たしている希有な成分だといえます。
食品から摂るセラミド
セラミドは、食品からも摂取できます。
お米や小麦、乳製品、大豆、こんにゃくなどが代表的です。
ただし、ここで少し立ち止まって考えておきたいのは、「口にしたセラミドが、そのまま肌のセラミドになるわけではない」という点。
食品に含まれるセラミドは、体内でいったん分解・吸収され、別の形に組み替えられながら使われます。
そのため、スキンケアのように角質層へ直接補う場合とは、働き方が異なります。
食事やサプリメントで摂るセラミドは、どちらかというと
・肌を含めた全身の材料づくりを支えること
・肌の代謝が滞らない環境を整えること
こうした土台づくりに関わるものと考えたほうが、実感に近いと思います。
「摂ればすぐに乾燥が改善する」
「飲めば肌が変わる」
といった劇的な変化を期待するのは現実的ではありませんが、日々の食事の中で、肌に必要な栄養が不足しない状態をつくることには意味があります。
肌はセラミドだけでできているわけではありません。
ビタミン類、たんぱく質、必須脂肪酸など、さまざまな材料がそろってはじめて、健やかな状態が保たれます。
その一部として、食品由来のセラミドも意識的に取り入れる、という捉え方が良いと思います。
「増やす」よりも、「減らさない」という選択
セラミドケアで大切なのは、増やすことよりも、減らさないことです。
落としすぎない、こすらない、バリアを壊さない。
こうした日々の積み重ねが、結果的にセラミドを守ることにつながります。
また、紫外線は肌のバリア機能を乱す大きな要因です。
日々の紫外線対策も、セラミドケアの延長線上にあると考えてよいと思います。
何かを足し続けるより、まずは壊さない環境をつくること。
それが、年齢を重ねた肌にとって、いちばん現実的でやさしい選択です。
私自身の、セラミドとの付き合い方

私自身、スキンケアを選ぶときは、成分表の中にセラミドが含まれているかどうかを、ひとつの目安にしています。
年齢とともに減っていく成分であり、角質層という「届く場所」に存在していることを知ってからは、自然と意識するようになりました。
ただ、それだけでスキンケアを選んでいるわけではありません。
実際に使ったときの肌の感触や、手のひらに広げたときのなじみ方。
ボトルの佇まいや、ふと深呼吸したくなるような香りに、気持ちがほぐれるかどうか。
そうした感覚も、私にとっては大切な判断材料です。
スキンケアは、肌に触れる行為であると同時に、自分自身と向き合う時間でもあります。
何を使うかだけでなく、どう感じるか。
その積み重ねが、肌の状態だけでなく、心の調子にも影響しているように感じています。
成分を理解することと、心地よさを大切にすること。
そのどちらか一方ではなく、肌と心の声に耳を傾けながら選ぶ。
今の私は、そんなふうにスキンケアと付き合っています。